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【外伝】千歳、翡翠洞攻略編:#11

水無月みと

作者の水無月みと(@MinazukiMito)です。新話投稿したらTwitterでお知らせするのでフォローしてください。

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殺られたんだから殺り返すでしょ

「喰らえ、バックドラフトだ!!」

わお。コケさんがテンションぶちアゲで叫んでるよ。あの人が大声出すのって、ホッシーさん関係か鬼難易度コンテンツの時だけなんだよね。

敵を囲んでた結界の解除前に、自分の周りにいた仲間たちと一緒にちっちゃい結界を張って避難する。

ホッシーさんの解除の指示と、コケさんの大声。その直後に自分たちを囲んでた結界の外が真っ赤に染まる。

「うはぁ~!ド派手~!!」

シュシュ・・・。アンタほんと、シリアスさの欠片もないね。毎度の事ながら」

「だってゲームじゃん。楽しんでなんぼっしょ」

「いやマジでその通りだと思うっすわ。ぬるゲーなんてやってても楽しくないし。こんくらいマジになれる難易度じゃないとハマれないっしょ!・・・です」

「アハハ!ルアル怖ぁ!ロジ君委縮してんじゃん」

「ロジはすぐ調子に乗るでしょ。早めにシメとかないと」

うっかり出たタメ口でルアルに睨まれてるロジ君。別にルアルもマジで怒ってる訳じゃないんだけどね。イジり甲斐あるんだよねぇ。

一緒の結界に入ってる4人で、結界解除までちょっとだけ休憩。周り炎の渦だし、待ってるしかないんだからおっけー。

みょうちんは一言も喋んないけどいつもの事だし。これがみょうちんのスタイルだから邪魔しない。

ケンシさんとやり合ってたやつは、どうせホッシーさんにとられるんだろうな~」

「何、アンタも狙ってたわけ?」

「いやぁ別に?ただこっから反撃タイムっしょ?だったら目立つの狙った方が気分よさげじゃん?」

「シュシュさん根っからの暗殺者っスね・・・」

「暗殺者ってより享楽殺人鬼のような気がするけど」

「え~?どこが?」

「殺ったら戦局に影響でかい奴積極的に狙ってるでしょアンタは。それが要人狙う暗殺者みたいだって言ってんの。ただそれをニッコニコしながらやるから享楽殺人鬼」

「あ、そういう事ぉ?」

だって、その方が”活躍した”感あるじゃん?

「っとぉ、火ィ落ち着いてきたっすね」

「ぼちぼち出番か。アンタはどうせ複合探すんでしょ?」

「まあね~。一応アタシも班長だし?トンビ君ばっかり活躍されたんじゃ立場無いじゃん。犬探しながら通り道も掃除かなぁ」

「ハイウルフゾンビっすか。徘徊してるんすよね?てかこの爆発2回で燃えてんじゃねえっすか?」

「それ確かめんのもコミコミ~」

「妙見、アンタは?」

「・・・・・・・・・・・手当たり次第」

「おおぅ、何気に一番怖い答えなんすけど・・・」

なんて喋ってる間に燃えてた火の勢いは大分衰えて、突っ込んでも大丈夫そうなくらいにはなってきた。暑そうではあるけど。

『総員結界解除。残った敵を始末しろ!』

「てめぇら全員突っ込め!味方1人犠牲にしといてここで根性見せねえ奴は叩きのめすぞ!!!」

ホッシーさんの合図が来て、周りにいる皆も一斉に自分を守っていた結界を解除した。結界が消えるか消えないかのタイミングで、トンビ君の怒号が飛んでくる。

わかってるわかってる。そりゃあ、おやつを前に『待て』されてたんだから、『よし』って言われたら即動くに決まってるっしょ。

みんな結界が消えたそばから一斉に飛び出していく。トンビ君の大声でテンション上がったのか、半分くらいは大声で叫びながら突っ込んでったね。うん。バフ効果乗ってるみたいだから良いんじゃないかな。

ウチの隣にいたみょうちんも、無言だけど据わった眼で走って行っちゃった。なんか、ケンシさんとトンビ君に憧れっぽいものがあるらしいね。

狩りスタート!

「んじゃ、行きますかぁ・・・」

軽く膝を曲げて少し体を前に傾ける。そのまま地面を蹴るのと同時にジェットシューズを噴かして加速。ぶっちゃけこれは、Gーsideで速攻アタッカーやるなら基礎中の基礎だね。

「ちわ~♪んでバイバイ~♪」

とりあえず近いところにいた、(多分)ゾンビの燃えカスの首をスパッといく。

ウチのスタイルは双剣。後ろ取って、体ごとクルッって回って、回ったついでに相手さんの首を刃に引っ掻ける。そしたら遠心力でバッサリ逝ける。んでもって、殺ったらそのまま移動。このスタイル、遠心力がキモだから力は少なくて済むし、絶えず移動できるからイイ。

「ふふッ♪ワンコはどーこだ?」

ホッシーさんがドラゴンゾンビ倒してから戻ってきて立て直すまでの短い間に、通り魔しまくって味方に被害出してくれた駄犬。

一応ウチだって班長だし、今いる味方の中では強い方。だから、強い敵はウチの獲物。

複合が居ることがわかって、更に味方が何人もやられてるってわかった段階からずっとワンコを探してた。

だけど未だに直接はお目にかかってない。味方との連絡網で情報が回ってきただけ。多分だけど、動物系が持ってる【野生の勘】とかそれ系のスキルで強い奴を避けてるっぽい。

「ワンコ~。ワンコや~」

止まらず移動しながら、通り道にいた奴をスパスパしながら、みんなの膝下くらいの高さに視線を巡らせていく。

「うわッ!?痛ッてぇ!!」

「んん?」

今のはロジ君?あ、居た。

「ガルルァァ!!」

ウルフゾンビに左腕・右足を噛み付かれて動けなくなってるロジ君。そのロジ君の背中に飛び掛かるもう一匹のウルフゾンビと、正面から突っ込んでいく一回りでっかいウルフゾンビ。

「・・・み~っけ♪」

発見♪

投擲とうてきは斥侯班のタシナミ。両手に持ってた剣を両方とも左手に持つ。空いた右手に投擲用の暗器を出現させて、ロジ君に噛み付いてる2匹の頭を狙ってぶん投げる。一手で2匹に当てるには、手から離すタイミングをずらすのがキモ。

「ガッ」

「ギャンッ!」

「うっし、命中~!」

飛んでった暗器を追いかけるように走って、ロジ君の背中に飛び掛かろうとしてたウルフゾンビの首をく。

「ッ!」

手足に噛み付いてた2匹が離れて、更に後ろに来てた1匹も倒れて逃げ場が出来たロジ君が後ろに飛び退すさる。おお、間一髪で正面のデカイの回避したね。

「ふぅ・・・。助かったっすシュシュさん。このタイミングでシュシュさんが通りがかるとか、めっちゃツイてる」

「いや~、ウチの方こそロジ君の悲鳴聞こえなかったら見落とすとこだった~!ぐっじょぶロジ君!」

「あんまり褒められた感じしないっすね・・・」

「え?完璧に囲まれた上に手足拘束されてしっかり腐食攻撃の継続ダメージ喰らってる上に防具の効果ダウン貰ってトドメ刺される寸前だったのに褒められる要素がどこに?」

「うぐッ!?ノーブレスでそんなはっきり言わんでも・・・」

実の所、腐食攻撃は継続ダメージより装備の効果ダウンの方が怖い。

このゲーム、バフ・デバフの発動には気分のアゲサゲがもろに関わるけど、感情とかない装備に関しては別なんだよねぇ。だから何気に腐食攻撃って厄介。数少ない、”確実なデバフ”の一種だから。

「グルルルル・・・」

「おお?増えた!」

ちょっと離れたとこからこっちを窺ってたデカワンコの足元の影の中から、ちっちゃワンコが湧いてくる。あれが【眷属召喚】かぁ。

「ロジ君それ脱いじゃえば~?」

「装備脱いだら尚更弱体化するんですがそれは・・・」

「着替え無いの?」

「ありますけどこの状況的に今の装備の方がマシっすね」

「あ~、潜入用とかそんなのか」

「です」

ま、ロジ君も斥侯班なわけだし本来はそっちの方がメインだもんね。

「まあいっか。丁度いいからロジ君も手伝ってよ。こいつ召喚持ってるから手数多いし。ロジ君うってつけじゃん」

「そっすね。今度は噛まれねえように気を付けます」

ん?そういえばこいつ、【竜麟】も【自己再生】も持ってないくせに、あの火の海でどうやって生き残ったんだろうね?

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水無月みと

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